バイオ8 メモ #20

ミランダの行なった儀式について。

「深夜の月が黒き翼で舞い上がるとき 我らは自らを犠牲とし最後の灯りを待つのみ」

最初にルイザたちが祈りの文句で言った言葉が引っかかっていたのだが、これはまさに最後にミランダが実行した儀式そのものではないか。

イーサンが村に到着した時、エレナは「いきなりライカンに襲われた」というようなことを言った。
バイオ4や5のように予め感染した村ではなく、イーサンの登場に合わせたかのようにライカンたちは村を一斉に襲撃したのだ。これはイーサンが目的というよりも、村人を生贄にするためにミランダが仕掛けた?
いや、それを正しいとするならば、モローたちがそれまでに実験隊にしていたライカン化した村人はどうなったんだという話になる。あくまで実験場に閉じ込めて、各種新作(?)の実験台にしていたのだろうか。あまり一度にたくさんの村人を連れてくることは(村の規模的に)できないだろうし、他のライカンの実験台もしくはハイゼンベルクの改造ライカンの餌食となったのか。

追記

ミランダの記憶操作によって村人達はライカンのことを知らずにいた。なので、エレナ達にしてみれば「いきなり怪物が村を襲った」という状態なのだ。ちなみにライカンはうろついていたが、人を襲ったりはしていなかった模様。このことからライカンはある程度制御できる存在であることがわかる。

そしてミランダにとってローズという器が見つかった今、もう器を求めるための民はいらない。
またハイゼンベルクも「ミランダはイーサンが家族にふさわしいかどうか見極めようとしている」と言っていた。実際ミランダ(正確にはミランダが化けていた老婆)はイーサンに四貴族を倒させようと誘導している。鍵も隠すことなくそのまま渡している。村人をライカンが襲い、そのライカンをイーサンが倒す。まるでイーサンのレベル上げをしているようである。

フラスクと四貴族、ローズに関していうならば、これもやはりイーサンに力を集めるための手段に思える。
四貴族を倒す=力がある、と受け取ると、その力を持ったイーサンを殺すことでミランダの求める「エヴァを蘇らせるための生贄」が成立するのではないだろうか。

話が少し前後してしまうが、ミランダは菌根の力を得て村人達の心を掌握するという行為に出た。
エンディングの画像から察すると、彼女はスペイン風邪の治療と称してカドゥを村人に摂取し、そのおかげで信頼を勝ち取ったと取れるのだが、カドゥをそんなに大量に村人に摂取させて大丈夫だったのだろうか?適合する者の方が少なかったら、ライカンが村に溢れて村人が全滅しそうなものだが………。
でも思ったよりライカンになった者が少なく、ほとんどの村人のスペイン風邪が治療できた(=菌根の再生能力?)ためライカンの恐怖よりもミランダ崇拝の念の方が強かったのか。
また、あの絵からは娘が病気になって注射をしてもらったあと、父親は病気になった描写がない。つまり、スペイン風邪を根菌の持つ治癒力をもってある程度治療した上で、まだ健康な者も予防接種を受ければスペイン風邪にかからないと言ってカドゥを摂取させたのではとも取れる。
またライカンになるのは不信心だから、というレッテルを貼るというのは割とありがちな話だと思う。

「おお ライカンよ おとぎ話の 悪魔の狼どもよ
我らを食らいに来るがよい 血肉を食らいに来るがよい」

序盤にみつかるメモである。これは襲撃後に残されたものだと思われるが、ライカンはおとぎ話の悪魔として認識されていたようなのだ。そりゃ狼男だもの、そうなるよな。書いた人が何を思ったかはわからない。発狂して書いたのかもしれないし、ミランダの目的を達成するために我が身を捧げるという意味で書いたのかもしれない。

バイオ8 メモ #19

時系列をちょっとまとめてみる。

1909年 6月

  • ミランダの娘エヴァが生まれる
  • ミランダの夫、エヴァの父親については謎

1919年 8月

  • スペイン風邪によりエヴァが死亡
  • ミランダが村の洞窟内で菌根を発見し完全に適応する
  • エヴァを蘇らせるための器を求めはじめた
  • この頃に村人達を操ってミランダ崇拝の土台を作った?
  • ここからミランダはカドゥの実験を重ねていく
    最初に反適合したのがドミトレスク
  • そのあとに幾人もの村人を挟みながら、ハイゼンベルクやモロー、ベネヴィエントの四人を選び出し四貴族という座に据える

1951年

  • 当時医学生だったスペンサーが雪山で遭難しかけていたところをミランダが助ける
  • 以後彼はミランダとともに菌根の研究をはじめた
  • しかし考えの相違からスペンサーはミランダの元を去った

1966年

  • スペンサー、マーカス、エドワードと主任研究員ブランドンがアフリカで始祖ウィルスを発見する

1968年

  • アンブレラ設立

1996年

  • 洋館事件が発生

2000年

  • コネクションがH.C.F.の技術協力のもと、「敵集団を戦闘によらず制圧する生物兵器」の開発を目的として研究を始める。これよりも前にコネクションはミランダに接触し、菌根とエヴァの胚を提供している
    コネクションはこの菌根に更に手を加えて特異ゲノムを組み込んだ
  • この時期のミランダはコネクションもしくはH.C.F.の研究室にいたのではないだろうか
  • なお2004年にはロス・イルミナドス教団がプラーガを用いて実力行使に出たが、レオンによって鎮圧
    このプラーガを手に入れるためにH.C.F.はクラウザーとエイダを派遣している
  • この頃のH.C.F.はアンブレラの力がなくなったのを幸いとばかりに、力となるものを探していたようなので、コネクションを通じて先のミランダへの接触を図ったりプラーガを手に入れようとしたり、何かと躍起になっている様子

2013〜2014年

  • エヴリンが完成するも、敵性組織による奪取の可能性が浮上、エヴリンを中米支部まで移送するためにアランとミアが特殊工作員として任命された
  • ベイカー家がエヴリンによって破壊される

2017年

  • バイオ7スタート。イーサンが死亡のちE型特異菌によって復活する
  • クリスがコネクションの追跡を始める

2020年

  • ローズ誕生
  • ミランダはコネクションから離れてはいたが、イーサンの特異体質とローズのことを知りミアに成り代わってウィンターズ家に侵入する

スペンサーの言う通り、ウィルスの方が感染力が高くあっという間に広がるから、洋館事件をきっかけに一気に色々なものが噴出した。厳密にいえばこれ以前にもいくつかの問題をアンブレラは引き起こしてはいるが、大きな転機が洋館事件だろう。
ウィルスによる殺戮、B.O.W.の脅威が広がる中、ミランダは静かにカドゥの研究を続けた。カドゥは線虫であるからウィルスのように爆発的な感染を引き起こすことはない。村に厳しく緘口令を敷き、排他的なものにすることで外部の世界からもシャットアウトした。
(ただし村人の中にはデュークから古新聞をもらって外部のニュースを読んでいた者もいる)

なおスペインと聞いてロス・イルミナドス教団のことを思い出したが、そもそもスペイン風邪の発生源は不明でありスペイン風邪という名前は厳密には正しくなかった………。とはいえ、ウィルスではなく寄生虫ベースの事件がコネクションが特異型を開発している最中に発生していたのは興味深い。
プラーガの場合はサラザール家が代々教団の手から守ってきたもので、その大元はミイラ化したものだからミランダとの接点はないだろうが、寄生虫や菌のほうがよりコントロールしやすいということで開発が進んでいくのかもしれない。

RE:3の話になるが、追加されたバード博士のテキストで
「寄生虫は危ない、あれには手を出してはいけない」
というものがあったけど、一理ある。現実世界のウィルスも日々進化を続けて生き残ろうとしているが、寄生虫や菌類もまた同じだ。どれもしつこくて根絶するのは困難である。また個人の感想だが、菌や寄生虫を原因としたB.O.W.は意思を操りやすいようだから、B.O.W.として運用するならこちらの方が都合がいいのかも。

バイオ8 メモ #18

 

今回はコネクションがミランダに接触し、菌根の研究を推し進めるという事実がわかった。
コネクションは前作のミアがいた(と思われる)組織で、H.C.F.の息がかかった子会社のようなものだったはず。そうでなかったとしても、菌根を利用してエヴリンを生み出すのだから、大凡まともなところではないだろう。

ミランダ自身はエヴァが復活さえすればなんでもよかったので、研究成果としてエヴリンが生まれても喜ばなかった。彼女にとってエヴリンはエヴァのなり損ないに過ぎないのだ。
エヴリンという名も、エヴァから来ているのだと思われる。
7のラストで明らかになったE型特異菌についても、ルーカスがPCに残した文書でこう書かれている。

計画のきっかけとなったのは、◼︎◼︎での◼︎◼︎◼︎◼︎・◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎と呼ばれる新種の真菌(特異菌)の発見であった。

これが、ミランダが研究していた菌根のことだ。
クリスに操作が切り替わった後、ハウンドウルフの隊員が言っている。

「E型にあったゲノム編集の痕跡がない。こっちが原種です」

スペンサー経由でこの菌根のことを知ったのか、コネクションはミランダに接触した。
このコネクションというのは組織がまだ不明である。名前からしていろいろなところに「接続」していそうなので、今後も都合よく使われそうな予感。
前回の組織もH.C.F.が子会社的なところに研究をさせていたようだから、今回もそこと同じである可能性が高い。クリスはルイジアナの一件以来このE型特異菌の原因をずっと探っていたようだった。
そのために彼は青アンブレラを抜け、B.S.A.A.に戻ったが結局専用部隊ハウンドウルフを立ち上げる。
一体なぜ彼はB.S.A.A.を抜けたのか謎だったのだが、これはラストのB.S.A.A.がとっている行動で察することができる。

B.S.A.A.は元をたどればクリスとジルが立ち上げた組織がきっかけである。世界各地にネットワークを持ち、バイオテロなどが発生した際は当事国がB.S.A.A.にたいして無制限の活動権限を与えているほどの組織だ。欧州に本部を構え、世界各地に支部(北米・南米・極東・中東・東部アフリカ・西部アフリカ・オセアニア)を持ち、バイオテロの情報収集・予防・制圧を行なっている。
本来は5での活躍の通り、人々をB.O.W.やバイオテロの手から救うのがB.S.A.A.の仕事である。
だが、今回の動向を見る限りではB.S.A.A.もいわゆる「闇堕ち」してしまったのかと思われる。クリスたちが極秘で追いかけていたミランダと菌根について、B.S.A.A.もまた追いかけていたのだ。そして菌根が肥大して収集がつかなくなった折に、鎮圧させるためにB.S.A.A.が投入したのがB.O.W.である。

とてもタイラントに似ている。しかしあの頃と比べて格段にスマートになっているし、ヘルメットなどをかぶっていたら人ではないと気づかないかもしれない。これをB.S.A.A.が現場に投入したということは、この人型B.O.W.はほとんど完成に近いと言っていいのだろう。危険な任務地に赴いて命の危険を物ともせずに鎮圧できるなら、これ以上はない存在だろう。

だが、B.S.A.A.にあってはならないものである。

いくら平和的に使いますといっても、B.O.W.は兵器である。それを根絶するはずのB.S.A.A.が用いていたのでは矛盾してしまう。クリスもそれを知らなかったということは、オリジナルイレブンにすら秘匿されていた可能性が高い。他の派閥が他企業からの誘惑に負けたか、何かの理由でB.S.A.A.はもはや信頼できる組織とは言いがたくなった。
前述した通り、世界中にコネクションを持つB.S.A.A.である。
圧力をかければそれなりに世界が動くのではないかと個人的には思っている。
だからエンディングのクリスはB.S.A.A.の本部がある欧州へ行けと言った。その後の展開が作品になればいいなあとは思うけど、どんどん信用できない組織ばかりになっていってしまう。

5の冒頭でクリスは「この世界は守る価値があるのだろうか」と自問自答していた。
8でもイーサンの写真をみて「一体いつまで続くんだ」とこぼしていた。
菌根の件だけかもしれないし、彼にとって悲劇の幕開けとなったラクーンの洋館事件からずっと人が繰り広げていることに対するうんざりした感情があったのかもしれない。

スペンサーはこういう争いばかり続ける人類を次の次元に引き上げようとした。
ウェスカーはウロボロスによって人類を選別しようとした。

叩いても叩いても埃が舞い、いくつ潰しても争いも生物兵器もなくなりはしない。
クリスたちはこれからも活動していくだろうが、次第にそれも虚しくなって来はしないだろうか。

バイオ8 メモ #17

ミランダについて。

元々は研究者であった。それはおそらく100年前のスペイン風邪で娘、エヴァを亡くしたことが理由だと思われる。彼女はエヴァを失ったショックから洞窟に迷い込み、そして菌根と触れた。
恐らくその時点で彼女は菌根と適合し、長い命を得たのだろう。
菌根は再生の力を持つため、寿命を延ばすことなど造作もないことだった。

菌根はクリスが爆破しなければといっていたあの気持ち悪い胎児のような形をしたやつである。

この菌根には、かつてこの菌に感染したことのある村の死者達の記憶が残されていた。その中に娘、エヴァの記憶もあったことから彼女はこの菌根についての研究を始めた。あくまでも彼女は菌根の数多の記憶の中から「エヴァ」の記憶だけを抽出し、器にいれることを目的としていた。
そのために村人に菌をうえつけて洗脳し、ミランダ崇拝の土壌を作った。こうすれば誰もミランダに歯向かわず、実験に集中できたからだ。
だが、実験は思うようにいかず器になるどころかライカンだけが増えていった。

そしてミランダはこの特殊な菌を研究協力したいという組織に、菌とエヴァの胚………恐らく菌根の一部、を提供した。その組織が生み出したものこそが「エヴリン」だった。

つまり、ミランダに接触したのはエヴリンを生み出したあの組織だった(詳しくは別記)。

ミランダにとってエヴリンは未完成品だったが、そのおかげでルイジアナでの出来事を知ることができた。つまり、イーサンを介してローズのことを知った。ローズがイーサン(とE型特異菌に耐性のある?ミア)の血を継いでいるということは、エヴァを取り戻すための適切な器である可能性が高い。

どのタイミングかはわからないが、ミランダはミアと入れ替わってローズのことを調べた。
冒頭でイーサンがローズを検査に連れて行こうとしても、怒って「あなたはそればっかり」といっていたのは、ミアじゃなくてミランダだったからかもしれない。B.S.A.A.に検査されたらすぐにローズの正体がわかってしまうからだ。

でも結局クリスにはバレていたっていう………。うーん。

バイオ8 メモ #16

ミア・ウィンターズ。

私は彼女が一番怪しいと思うのだけど、今作も誰一人突っ込んでいない。

  1. いつミランダに連れ去られて監禁された?
  2. 前作の特殊工作員設定を鵜呑みにするならば、彼女はエヴリンを護送していた立場である。その謎が一切解明されないまま平和に暮らしていました、というのは虫が良すぎるのでは?
  3. イーサン本人ですら知らない、イーサンがもう死んでいてE型特異菌によって生きていることを、何故ミアだけが知っていた?
  4. その事実があるならば、二人の間に生まれた子供が特異体質であることを知っていたのでは?
  5. ミアも7でかなりE型特異菌に侵されていたはずだが、それはどうなった?

4に関していうと、ドナの家で聞いたローズについての葛藤が幻聴ではなく、本物説が浮上する。
イーサンの特性を受け継いだ可能性があるローズをなんとかしようと彼女は考えていたのだろう。
だが、それをイーサンに話すことはしなかった。イーサンに「あなたはもう死んでいるの」と言えなかったのはわかるが、ミアとて死体と暮らしていたのだ。いくらイーサンが驚異の回復力を持っているとしても、今作の彼を見る限り先はそんなに長くないのではないか。エヴリンだってなにもしなければどんどん身体が老化していったから、イーサンだって同じはずだ。
イーサンを愛していると言っても、その愛が普通のものではないことは明らかだ。常軌を逸していると言うより最早狂気の域に達している。家族を失いたくないと言う気持ちは図らずもエヴリンが抱いていた感情と同じである。ミアもまた一度はエヴリンに侵食されたから、イーサンの真実も知っていたし、イーサンに対する愛情も強かったのかもしれない。

5については、ゾイが作った薬が効いたという説で渋々納得することができなくもない。
だが、E型特異菌に感染したジャックはあれを打って白灰化した。
恐らくゾイを選んで脱出したとき、彼女が白くなって崩れてしまうのもあの薬のせいだと言える。

でもミアに打ってもなんともない。

彼女がアランと共に特殊工作員として派遣されていたのなら、それなりの対策を取っていてもおかしくない?と思ったが、同行のアランはあっさりエヴリンに飲まれていた。謎。

イーサンがカビでできていたとしたら、彼女とて健全な体とは言いにくい。
そんな二人から生まれたローズは悲劇の存在としか言いようがない。
彼らは娘を溺愛しているが、ローズはいわば異形のハイブリッドみたいなものなのだ。
勿論二人ともローズの体調を気にしており、特にイーサンはB.S.A.A.に何度も検査をしてもらっているようだ。

だけどなあ。やっぱりイーサンにはちゃんと話をすべきだったと思う。
いくら愛している人とは言え、隠してあれこれ画策するのはやっぱり見ている側は気持ち悪い。

追記

可能性は低いかもしれないし、完全に妄想の域になるのだが、ミアはまだコネクションとの繋がりがあるのでは?だからミランダも誘拐してからずっと生かしたままにしていた。最後の最後にクリスにイーサンのことを仕方なく打ち明けている様子から、ミアにはまだ何か隠してある者があるんじゃない?と勘ぐってしまう。