ミランダの行なった儀式について。
「深夜の月が黒き翼で舞い上がるとき 我らは自らを犠牲とし最後の灯りを待つのみ」
最初にルイザたちが祈りの文句で言った言葉が引っかかっていたのだが、これはまさに最後にミランダが実行した儀式そのものではないか。
イーサンが村に到着した時、エレナは「いきなりライカンに襲われた」というようなことを言った。
バイオ4や5のように予め感染した村ではなく、イーサンの登場に合わせたかのようにライカンたちは村を一斉に襲撃したのだ。これはイーサンが目的というよりも、村人を生贄にするためにミランダが仕掛けた?
いや、それを正しいとするならば、モローたちがそれまでに実験隊にしていたライカン化した村人はどうなったんだという話になる。あくまで実験場に閉じ込めて、各種新作(?)の実験台にしていたのだろうか。あまり一度にたくさんの村人を連れてくることは(村の規模的に)できないだろうし、他のライカンの実験台もしくはハイゼンベルクの改造ライカンの餌食となったのか。
追記
ミランダの記憶操作によって村人達はライカンのことを知らずにいた。なので、エレナ達にしてみれば「いきなり怪物が村を襲った」という状態なのだ。ちなみにライカンはうろついていたが、人を襲ったりはしていなかった模様。このことからライカンはある程度制御できる存在であることがわかる。
そしてミランダにとってローズという器が見つかった今、もう器を求めるための民はいらない。
またハイゼンベルクも「ミランダはイーサンが家族にふさわしいかどうか見極めようとしている」と言っていた。実際ミランダ(正確にはミランダが化けていた老婆)はイーサンに四貴族を倒させようと誘導している。鍵も隠すことなくそのまま渡している。村人をライカンが襲い、そのライカンをイーサンが倒す。まるでイーサンのレベル上げをしているようである。
フラスクと四貴族、ローズに関していうならば、これもやはりイーサンに力を集めるための手段に思える。
四貴族を倒す=力がある、と受け取ると、その力を持ったイーサンを殺すことでミランダの求める「エヴァを蘇らせるための生贄」が成立するのではないだろうか。
話が少し前後してしまうが、ミランダは菌根の力を得て村人達の心を掌握するという行為に出た。
エンディングの画像から察すると、彼女はスペイン風邪の治療と称してカドゥを村人に摂取し、そのおかげで信頼を勝ち取ったと取れるのだが、カドゥをそんなに大量に村人に摂取させて大丈夫だったのだろうか?適合する者の方が少なかったら、ライカンが村に溢れて村人が全滅しそうなものだが………。
でも思ったよりライカンになった者が少なく、ほとんどの村人のスペイン風邪が治療できた(=菌根の再生能力?)ためライカンの恐怖よりもミランダ崇拝の念の方が強かったのか。
また、あの絵からは娘が病気になって注射をしてもらったあと、父親は病気になった描写がない。つまり、スペイン風邪を根菌の持つ治癒力をもってある程度治療した上で、まだ健康な者も予防接種を受ければスペイン風邪にかからないと言ってカドゥを摂取させたのではとも取れる。
またライカンになるのは不信心だから、というレッテルを貼るというのは割とありがちな話だと思う。
「おお ライカンよ おとぎ話の 悪魔の狼どもよ
我らを食らいに来るがよい 血肉を食らいに来るがよい」
序盤にみつかるメモである。これは襲撃後に残されたものだと思われるが、ライカンはおとぎ話の悪魔として認識されていたようなのだ。そりゃ狼男だもの、そうなるよな。書いた人が何を思ったかはわからない。発狂して書いたのかもしれないし、ミランダの目的を達成するために我が身を捧げるという意味で書いたのかもしれない。