物語のキーパーソン、アレキサンダーの日記。
かなり量が多いので二分割。日記1〜4まで。


アレキサンダーの日記 その1

1984.10.11 晴れ
 もし洋館とヘヴンダストの元へ戻れないと、俺がなくしたのは左の手だけじゃなく、プライドまで失ったことになる。やるね、スターダスト製薬。ただ一回のミスだけで、俺のほぼ全てを奪った。
 いつか、きっといつか、俺がこの舞台の中心まで戻って、自分の栄耀を取り戻してみせる。待ってろ。

1985.4.12 晴れ
 最後の転任結果が出た。俺は第一研究所の所長に異動したが、あれは正真正銘の閑職だ。洋館であったことは一切話すなと命じられた。第一研究所、ホフマンの時代で暫く活躍してたが、今はもう谷間に落ちた。こんな場所で終わってたまるか?絶対にそうはさせない…

アレキサンダーの日記 その2

1998.3.10 曇り
 ハハ!信じられない、オルディントンの奴がやっちゃった。自分と洋館は一緒に終わったのに、ウイルスの宿主が一人生還したね。その後はここまで送られるらしいから、これは俺のチャンスだ!こんなつまらない場所でまた人生のピークへ戻るチャンスはあったなんて。研究をちゃんと進めて、取締役会に俺の能力を改めて意識させてやる。

1998.3.12 曇り
 取締役会は全員バカか?ウィルス研究の引き続きは俺が担当するのではなく、本部から来るウィーラーのチームに任せると言う。彼奴等が俺の研究所に駐在したら、俺も俺の部下もラボに近づく事もできなくなる。あの「第2宿主」は今でも実験室で静かに眠ってるのに研究はできない。これはひどい侮辱だ。

アレキサンダーの日記 その3

1998.4.2 雨
 引き取るのが無理だ。電話1通と命令1つで俺を止められると思ったら大間違いだ。ここは俺の研究所だ、「第2宿主」と接触する手段はいくらでもある。順調に進んでいけばウィーラーより進度が早くなる。

1998.8.1 晴れ
 先月は「第2宿主」の血液から「ヨーロッパII型ウイルス」を分解できた。今日はウィーラーが捨てた受験体から「ヨーロッパウイルスI型」を分離できた。何もかもありえないほど順調だ。勝利の女神は俺に微笑んでるね。

1998.8.5
 トマス!あの野郎、洋館から生還したか!!今日あいつは俺に連絡して、連携研究について話した。彼は赤道ウイルスを提供して(「ヘヴンダスト」の変異体の一種)、俺が2種のウイルスの交差感染について研究を始める。最後は研究結果をあいつと共有する。こいつは明らかに野望があるが、提案は魅力的だから考えよう。

アレキサンダーの日記 その4

1998.9.1 雨
 とっておきの隠し部屋を臨時受験室に改造した。「第2宿主」に近いからサンプルの収集は便利だ。ハハ、トマスからの赤道ウイルスも届いたから、研究を始めよう。

1998.9.7 雨
 植物に赤道ウイルスを感染させた。普通の植物と比べたら、胞子植物の一種はもっと活性化してる。面白いぞ、もしかして新型の変異種を見付けたかな。

1998.9.15 晴れ
 一部分の植物は紫の胞子ができたが、内容物の化学成分はとても複雑だ。初歩的な実験によると、混ぜるだけでこの内容物は一部分の化学品の効果を高める。けどもう一種の緑の胞子がもっと俺の初心と近そうだから、それからウイルスを分離できればいいね。