何故か焼け落ちたはずの修道院跡地。
もう何が現実で何が幻なのかわかんない。

リン、リンゼーが見習い修道女としてクリスト・モレンテ修道院に来たことがわかる。
以前ワイマンが映像で「新しく来た修道女に12人の修道女と修道院を燃やすよう仕向けた」と言っていたが、これはリンのことだった。どういう経緯で放火に至ったかはさておき、結果的にグロリアはこの火災で生き延びることになった。彼女にとっては、光を奪われ、毒を盛られ、地獄のような苦しみを味わっていたその最中に火事が起きた。ワイマンへの怒りと、リンへの怒りがグロリアに深く刻み込まれたのは想像に難くない。

でも倒した赤い修道女の正体はリンだった。アレー?
前作グロリアは変なストゥでこっちを突いてきたけど、今作の修道女は炎を操る。
個人的に気になったのはまさにここで、赤い修道女は火事で命を落とした(グロリアの場合は落としかけた)のと、単純に蛾だから火が苦手なんだと思っていたのだけど、アッシュマン・インでもこの焼け跡でも修道女は炎を操る。これは、もしかしてグロリア修道女はストゥ(呼び名がわからん)でリン修道女が炎を使うとか?
リンは放火したわけだし、炎を使うというのはしっくりくるけど………。

なんにせよ、催眠された側は記憶をいいように操られて改変されるので、プレイヤーの頭もぐるんぐるんだ。
ワイマンの声はグロリアが「母」となった。リンを「媒介」としている。だからセレステはトリガーを用いてグロリアを止めなくてはならないという。ワイマンお前中途半端に生きてるな………。最後に綺麗なワイマンになるなよ。
まあグロリアの支配下にいたくないのだろうが。

なんやかんやで映画のフィルムを探す。
翻訳に際して「さよならをいう前に」という映画タイトルになっちゃってるけど、これは他の考察でも書いてあった「To Say Goodbye」というタイトルの方が好きかも。何でもかんでも直訳すればいいってもんじゃないんだよォ。
映画は二人の記憶に強く刻まれている思い出の音だから、それがトリガーとなってリンの催眠が解けるんじゃないかとセレステは考えた。

ここで掛け値無しのクソステファノにセレステが言い放った言葉が強い。
お前の父は俺だと宣うステファノに、
「いいえ!リチャードよ。性別に関わらず………そんなこと気にしないわ。彼が私を育てた。偉大な父親よ………あんたこそ笑い種なのよ!」
と突き返す。いいぞ!もっと言ってやれ!この後の展開を考えると切ないが、少なくともセレステにとってのリチャードは「父親」であり、映画の帰りにすぐピアノで曲を弾いて聞かせてくれるような人物だった。

赤い修道女の正体はやはりグロリアだった。ただ19年前という設定の今作のグロリアは18歳くらい。実はグロリアは火災に遭った後もステファノの近くにいた。そう、エリサこそがグロリアだったのだ。だからワイマンの支配を解くようにセレステに囁き、メンガタスズメの母となった。だが、彼女がここまで生きていたのも復讐の一念があったこそ。最後にステファノに「私を信じてくれ」と言われても、グロリアはステファノにずっと虐げられてきたのだ。
そればかりでなく、視神経をやられたのも、薬を盛られたのも、火事で命を落としかけたのも全部目の前の「兄」のせいだったと知った。こいつだけじゃないかもしれないが、少なくとも両手を広げて受け入れる存在ではない。

だからグロリアはメンガタスズメの母として、蛾をステファノに向けた。
忠実なしもべたちは彼の皮膚を食いちぎり、肉を貪った。
そして「母」としての催眠能力の最たるものであるワイマンーーポーセリンが、ステファノの腕を切り落とす。

もはやワイマンは「母」に使役される存在になってしまった。
つまり破砕してしまったのではないか。
そしてグロリアに従っていたのだが、リンの催眠が解けたことによりグロリアの力が失われ、ポーセリンはセレステの力を使ったリンによって立ち位置を真逆に変えた。グロリアは慄いて逃げたーー

そのグロリアを追いかける時に、ポーセリンを操作してドスドスホテル内を闊歩するのだが、無言ででかい獲物を持った大男が歩く様はさながらDead by Daylightである。かくれんぼだし。
前作のクロックタワーに影響されて作った、逃げるだけのゲームから一気に展開が変わってしまった。まあ無双できるわけじゃないんだけど、なんかこう………うん………これじゃないんじゃない?感がすごい。

結局ポーセリンはグロリアを追い詰めるのだけど、それを操るリンとセレステは彼女にとどめを刺せなかった。それをしてしまったら、結局彼らと同じになってしまう。
しかし、全てを思い出し、全てを知ったグロリアの怒りは凄まじい。
文字通り何もかも奪った、かつての「姉=リン」への愛情はそのまま憎しみに変わり、そしてその背後に立つフェルトン家へ、セレステへの憎悪を募らせて暗転する。ああ、これでグロリアが完全に復讐鬼になったんだな。

ここで出てきた「姉」という単語。
修道院にきた13番目のリン(13番目、裏切り者………)は、年下のグロリアに慕われていた。
いつしか仲良くなり姉妹のように過ごしていたのだが、ワイマンの薬によって事態が一変してしまった。
ここで前作の、ローズマリーとグロリアの会話を思い出す。

「お前を愛していた…お前を信じていた…」
「姉妹の誓いを破った」
この言葉に対して、ローズマリーは「ごめんなさい」と謝るだけだった。ローズマリーはリンなのだから、これでこの会話の謎が解けた。ワイマンが利用し、引き裂いた不幸な「姉妹」だった。