以下ゲームに関する感想など。
バイオハザードのパクリとか劣化版とか思っていたが、こうして書き出してみると似ているとこもあるし似てないところもあって面白い。そもそも、未知のウイルスやゾンビ化というネタは出尽くしているし、秘密の研究所で製薬会社が悪巧みをしている、というのも手垢がついたネタである。ハザード系の小説ではしばしばこういう「ネタ被り」や「ハズレ感」があるので、そういうのはあまり気にならなかった。むしろ清々しいほどオマージュされている中で、”どこがバイオと違うのか”というのを見つけていくのが楽しかった。
この作品にはEDが複数ある。大まかにいうと鳩に自分の血液を渡したかどうかで別れる。
第二宿主であるスティーブの血液を渡せば、エリスにウイルスのワクチンを開発してもらうことができる。
しかし忘れてはならない、第二宿主の体はエリスだけが求めているのではなく、スターダスト製薬もまた研究の成果であるスティーブの体を欲しているということを。
だから最初に自爆装置を起動して、正面から脱出した時は驚いた。正面出口を武装した集団に包囲されていたのである。考えてみれば当たり前なのだが、脱出さえすればすべて終わると思ったら大間違いだった。生身のまま確保されたスティーブには、この先どんな運命が待ち受けているのだろうか。
エリスがワクチンを開発してくれたとしても、スティーブを元に研究がさらに進んでしまう可能性が高い。おまけにトマスも逃げ出しているから、スティーブがいるから研究成果を独占するというわけにもいかないだろう。
スティーブが自爆装置を起動させた後、一定時間内に脱出できなかった場合も一つのEDとなる。これはスティーブが記憶を取り戻し、血液サンプルをエリスに託して、自らは贖罪のためそのまま爆破に巻き込まれるというものだ。隠しEDでもあり、これが恐らくトゥルーエンドなのだろう。
この場合はスティーブが見つからなかったことでスターダスト製薬は貴重なウイルス研究の成果を失う。エリスのワクチンが悪行を暴くのが先か、トマスの再就職先が新たな火種を生むのが先かはわからない。
そしてそのトマスに関するEDもある。その名もズバリ「トマスの信奉者」。
これはスティーブが正面玄関ではなく、トマスの部屋の奥にあった隠し通路から脱出することで見られる。血は鳩に渡していなくてもよい。
これは推測だが、このEDのスティーブはすべての事実を知っても、ウイルスの研究を更に進めたかったのかもしれない。当然この場合もスターダスト製薬は第二宿主の体を得ることができないので、会社としての研究は頓挫するだろう。一方で脱出したトマスと落ち合うことができれば、スティーブは文字通り体を張って研究することが可能になる。
ただ、このEDは途中のスティーブの行動と矛盾していてるんじゃないか?あれだけウイルスの不法研究について調べて暴こうとしていたのに、なんであっさりトマスの信奉者になるんだ?という疑問が残った。
で、日記などを読み返したのだが、スティーブは確かに不法な研究について資料を集めていたし、エリスとも接触していた。その中でウイルスの危険性についても認識していたと思われる。
一方で研究の手を止めたかというと、そういうわけでもなさそうだった。
エリスが第二宿主のサンプルを要求していたのに対し、スティーブがどう考えたのかは日記に残されていない。だから、彼は結局危険なものだと知りつつも研究をやめられなかったのではないか。今は危険なウイルスだとしても、将来的に無害になるかもしれないと考えたのかも。アンジェラのような悲劇を二度と起こさないために、ウイルスをより安全にするのが良いという判断したのだと思う。
また穿った見方をすれば、トマスを信じているからこそ、エリスを信じられなかったかもしれない。エリスがトマスの助手のジョージを頼るようにメールで言っているが、そのジョージはトマスに煙たがられていた。自分が信じている人が、煙たがっている人物を好意的にみるのは難しい。だからスティーブはジョージを頼らなかった。(※完全に妄想しています、本意と違う可能性が高いです)
……なんにせよ。
ウイルスはまだ地上に残ったまま。
ワクチンが開発されるかもしれないし、新たな脅威になるかもしれない。
事実は隠蔽されたままになるかもしれない。
全然ハッピーでも無事でもない。
バイオハザードは洋館を爆破してヘリで脱出したら、なんかスッキリしたのにスッキリしない。どちらも終わりの始まり、みたいな感じはあるけど、バイオの主人公’sは健康体である。後に人間をやめたりもするが、スティーブと違って存在そのものがバイオテロの脅威とはならない。でも、スティーブは違う。彼は知らないうちに計画に加わり、いつの間にか宿主として定着してしまった。この先彼が果たして意思を保っていられるのかとか、肉体がどうなるのだろうとか、まあわからないのだけどすごく気持ちが悪いのは確かだ。
バイオのスティーブも悲劇的だけど…。
最後に。
自爆装置を起動させて、洋館が爆発したとき、スターダストの回収部隊は屋敷を包囲していた。
この爆発はバイオのラストのようなものを想像しているのだが、それにしては回収部隊の位置が屋敷に近すぎる。ゲームの演出の都合だとわかっていても、正門の正面に待機していたら、爆風でスティーブもろとも吹っ飛びそうではある。
地下室とか別館とかがない分、爆発がコンパクトだったのかもしれない。
追記
2週目をやり始めてふと気になった。
スティーブ、別に記憶喪失になったわけじゃなくない?自分で閉じこもっていただけでは?
でもそうすると、書類を集めた後の実績「そういうことか」がわからなくなる。あの実績名があるから、スティーブは記憶を一時的に失っていたと思っていた。
あれはプレイヤーに向けたメタメッセージだったりして…。
騒ぎはもうなくなった
ドアの外は怖いほど静かだ
このままここにいるわけにはいかない
このチャンスで抜け出すんだ
この洋館から