ピガールの間に小黒の写真を置いてなんとか小黒を受け止めた。そこには小黒の姉がいて、小黒が実はこの時代に生きていたことを告げる。小黒はある日突然ふらっと現れた、とリッチが言っていたけれど、それはこの時代から飛ばされたからだったのか。
姉は語り続ける。小黒と自分は、共に神獣朱雀の見立てを受けるべき存在なのだと。小黒はそれが判明した時、それを防ごうとする邪悪な力によって未来に飛ばされ、姉は体を滅ぼされて思念だけの存在となってしまった。姉一人では蘭暁梅の力を受け止められないため、危険を承知で小黒に鳴力を送り続けていたのだ。
ここで急に蘭暁梅の名前が出てきたが、今日の天道式ではまず蘭暁梅を見立てる。そうすることで小黒姉妹に力が注がれる。そこで改めて朱雀として二人を見立てると言うことらしい。複雑だ。複雑と言えばここの建物も複雑だ。
途中で玄機が玄武の力を次ぐ存在であることを小黒の姉から教えられた。しかし、玄機はその運命から逃れたくて妄人となった。彼が神獣となることを拒む限り、玄武としての見立ては行うことが出来ないと言う…。途絶えていた玄武の力は、玄機で止まっていた。皇帝涙目。
マダム馮の占い部屋で蘭暁梅の運命についても聞いた。彼女が神獣として新たに生きて行くことをマダムは密かに望んでいたのだが、運命はそれを選ばず双子の姉妹…小黒たちを神獣とした。蘭暁梅はあくまでも小黒たちに力を与えるだけの存在であり、その力を失えば命もまた失ってしまうのだ。しかしこれは神獣が選んだこと、人間にはもうどうしようもないとマダムは悲痛な声で話した。
玄機の説得早ッ。
しかし妄人となった今の玄機ではダメらしく、妄人となった時代まで遡っているという。そのときの玄機の判断の力が、神獣玄武を出現させる力になるのだなあ…。玄機はそのポイントから再び人生をやり直すことで、運命をしっかりと受け止めるだろうという。その玄機は元の時代で探す必要があると言うので、今は再会できないようだ。
更に先に進んで行くとバスチーユの間に人面海亀がいて、その奥の扉をくぐると海鮮中心に出た。振り返ると、今出てきた扉は海亀屋の扉だった。ここに出たのなら九龍フロントの様子も探れるかもしれないと思ったが、残念ながらそちらに通じていた道は通れなかった。海草パック屋の窓男がいたところにぽっかり穴が空いていたので、そこをくぐると再び妄想の島へ。
出たー!!怖い、怖い四天王が小黒の写真ごと持って行ってしまった。キッズが教えてくれた海原の貝殻を使って、巫師(ウーシ)の体と(恐らく)意識を切り離す。体を保てなくなった巫師の姿は消えるのみ。小黒の写真を取り返して更に奥へ進むと、そこに蘭暁梅が。しかし彼女は眠っているようだ。側にあった変な形の置物の窓が中から開いて、そこに人の顔が。この島、本当にわけがわからない。
この人が王兆銘(ワン・チャオミン)。彼は蘭暁梅の母と誓っていた、蘭暁梅を朱雀として見立てをさせることを。そして信じていた、彼女こそが真の朱雀となるべき存在なのだと。しかし、羅盤は蘭暁梅を朱雀として見立てなかった。朱雀として見立てを受けるべきなのは、彼女ではなく小黒たちなのだ。マダムの文鳥は正しかった。しかしそれを受け入れたくない王兆銘は、李弘を呼べと叫ぶ。李弘?李弘ってあの質屋の?
陰陽師も目盛りが合わずに苦戦していた。やはり歪んでいる時間を直すのは難しいらしい。
しかし、李弘ならその時空の歪みも越えられるという。李弘はこちらの人間で、1997年の世界とこちらの時代を行き来していたと陰陽師は言う。李弘に剥製屋がくれたうさんくさい剥製を引き取ってもらった時、彼はこういった。私はこの時代の物に興味はないと。
その李弘は船着き場にいた。
彼は小黒がこの時代に生まれたことを知っていたが、彼女にそれを告げる気にはなれなかった。記憶を失ってもなお1997年で生きようとしていた小黒に何かを感じたのかもしれない。風水師が現れなければ、そのまま小黒はあっちの時代で生き続けていたかもしれない。
李弘は朱雀の鏡を使って二つの時代を行き来していたが、その鏡を風水師に譲った。彼はこの時代に残ると言う。この不安ではち切れそうな世界に…。





