クムラン
「よく頑張りましたね、
フィリアさん。
ディアス
「残念だったな。
この通り生きている。
「我々はどうやらその男に
騙されていたようだな。
クムラン
「そ、そんな、
騙すつもりなんて・・・
ディアスさんには仮死状態になってもらったのです。
聖書の文面からこうなる事を察知し、
刺さった瞬間に凍結魔法が
局所的に作動する槍を、
ガイウスさんと共同で造って・・・
もちろん、彼らを
騙せるかどうかは賭けでしたが・・・
ディアス
「・・・屈辱だな。
クムラン
「す、すみませんでした、
ディアスさん、フィリアさん。
お伝えする時間がなかったのです。
ディアス
「そういえば不死者が見えぬが・・・
司祭ティアラ
「ファトゥムさんは
サディーヤさんと一緒に地上に・・・
でも・・・
クムラン
「体の傷は治っているのですが、
意識が戻らないのです。
ファトゥムさんの望んでいた
永遠の眠り、
それがこのような形で
訪れるなんて・・・
途中でファトゥムさんと
はぐれてしまったことを
後悔しています。
クムラン
「急ぎましょう!
扉が閉じてしまいます!!
邪面の間
クムラン
「ここが『始原の地』・・・?
聖書の描写とはあまりにも
かけ離れていますね。
こんな殺風景な所に
神がいるなんて・・・
司祭ティアラ
「どこか悲しげな場所ですね・・・
あの方達は、私達に一体何を
伝えたかったのでしょうか・・・
クムラン
「そして、彼らは何を確かめたくて
私達をここに招き入れたのか・・・
疑問は深まるばかりですね。
「それで、ディアスさん・・・
あなたはどこまで
ご存知だったのですか?
ディアス
「・・・・
クムラン
「あなたは教皇庁から
何らかの目的で送られてきた・・・
そして、教皇庁は
この一連の出来事を
あらかじめ知っていた・・・
ディアス
「聞こえていたのか・・・
クムラン
「いえ・・・
思念が流れてきたのです。
ですが、以前から怪しいとは
思っていました。
まさか教皇グレゴリウス8世の
ご子息だとは思いませんでしたが。
あなたは何の目的でこの町に
来たのです?
教皇庁はどこまで知っているのです?
教えて頂けませんか?
ディアス
「教皇の命令は3つ・・・
第1に、『アザレの石』を発見する事、
第2に、その女を・・・
クレメンテ枢機卿の娘を暗殺する事、
第3に、『奇跡の書』の真意を確かめること。
クムラン
「奇跡の書?
ディアス
「教皇のみが閲覧することの出来る、
歴史から隠され続けてきた
秘密文書・・・
筆者は、第二聖者バルカイルとも
第五聖者アドゥバキエルとも
伝えられている。
一見するとただの予言の書だ。
ただし、その的中率は
予言の域を越えている。
歴代の教皇は未来を知っている事を
最大限に利用し、
教会の力を拡大させてきた。
クムラン
「き、教皇は今度のことを
全て知っていたのですか!?
ディアス
「アザレの石、魔物の出現、
地下遺跡に眠る莫大な富、凶戦士、
世界を覆う戦火・・・
すべてが書かれてある通りだった。
だが、
『新しい世界』の実現に関しては、
1行も書かれていなかった。
つまり、教皇もまんまと
利用されたというわけだ。
世界がどうなるかも知らずに
ただ盲目的に
5千年前の命令書に従い
行動していたのだからな。
クムラン
「なるほど・・・大体分かりました。
ですが、まだ1つだけ
分からないことがあります。
ディアス
「・・・・
クムラン
「それは、あなた自身の目的です。
あなたの今までの行動には
教皇の不利益になることが多すぎる。
それにあなたは
機会はいくらでもあったのに、
ティアラさんを殺さなかった。
あなたはまさか教皇を・・・
ディアス
「・・・・
クムラン
「わかりました・・・
あなたを信じます。
司祭ティアラ
「ありがとう、ディアスさん。
ディアス
「礼を言われる筋合いはない。
クムラン
「そろそろ私とティアラさんは
地上に戻ります。
今の私達の力では、おふたりの
足手まといになってしまいますから。
それに、何よりファトゥムさんの
事が心配です。
ところで、ここは精神の海とは違い
2人で行動しなければならない訳では
なさそうですね。
ディアスさん達も
一旦地上に戻ってどなたかを
お誘いになってはいかがですか?
相手は神です。
何が起こるかはわかりません。
戦力は多い方がいいでしょう。
では頑張って下さい。
フィリアさん、ディアスさん。
ディアス
「貴様に任せる。
進むも戻るも好きにしろ。