物語も終盤である。

ミランダがローズを奪ったのは、自分の子供エヴァを復活させるため。
でも長い間その念に取り憑かれた結果、もう手段が目的みたいになっている感じがある。

心臓を抉り出されたイーサンは酷く寒いところで目が覚めた。そこに聞き覚えのある声がした。
声の主人はエヴリン。そう、7で消したと思っていたエヴリンだ。

彼女は言った、イーサンはもう死んでる、と。
プレイヤー的には「イーサンB.O.W.説」まで持ち上げていたのであんまり驚かなかったけど、イーサンが『死んだ』とエヴリンが言ったシーンは7の冒頭で、廃屋でミアと壮絶な争いを繰り広げたのちに、ジャックに『ファミパン』されたあのときらしいのだ。ということは、7のイーサンは死者だったということか。
厳密に言えばエヴリンの菌(E型特異菌)が体内に入った結果、イーサンもまたジャックたちと同じようにエヴリンの菌に取り込まれ、彼らのように再生する身体を持って復活したのだ。
つまり7も8もイーサンはカビで出来たイーサンだった。

とにかく、イーサンはそれを聞いてもなおローズを助けようと立ち上がった。

目が覚めるとそこはデュークの馬車の中。彼はハイゼンベルクと戦ったあの場所でイーサンを乗せて、ミランダのいる祭祀場に向かっているという。そして最後に彼は言う。

「あなたはもう人の世に戻ることはできませんぞ」

イーサンはそれを承知で馬車を降りる。デュークの正体は本人にもわからないという。

で、ミランダ。
ローズを媒介にして四貴族のアイテムを揃え、儀式を執り行うもこういうゲームの常として儀式は失敗、不完全な状態になり逆に力を吸われてしまう。ボス戦になるのだが、まああんまり強くはない。うっとおしくもない。
娘を復活させるためにローズを奪おうとするミランダ、娘を守るために戦うイーサン。
子供を失うのはどちらも嫌だというのに、そこで争ってしまうんだよなあ。
ミランダにとってエヴァはなんなんだろうと思ったけど、それは力の根源なのかもしれない。エヴァという子供、という呼び方をしているものの、それはE型特異菌のもたらす色んなパワーを手中に収めたいという野心があったんだろうと思う。

考察とかツッコミはまた後で。

ミランダを倒し、ローズをやっと腕に取り戻したけれどイーサンの体は崩壊寸前だった。
あの時のゾイやジャックのように白くなった手が崩れ落ちていく。そこにクリスが駆けつけて、なんとか三人で逃げ出すんだとけしかける。イーサンを抱えて祭祀場の橋を渡ろうとした時。

 

もうバイオシリーズじゃ珍しい展開じゃないかなあ。
イーサンが上着をローズにかけて「愛していたと伝えてくれ」とクリスに言ってローズを渡し、代わりに爆弾の起爆スイッチをクリスから取り上げる。そしてイーサンはクリスから離れていく。

ローズを抱えてヘリに戻り、急いで離陸するようにいうクリスにミアはイーサンの行方を聞く。
ミアからイーサンの秘密を聞いたクリスは、一度は死んだイーサンだけどその特異体質だとするならば、また助けられるかもしれないと思ってきっとミランダのところまで来たのだろう。だが、一歩及ばなかった。彼が助けようとしたイーサンは、また助けることができなかったのだ。
ミアの気持ちはわかる、だがクリスはそれ以上に悔しかったと思う。やり場のない怒りと悔しさが壁を強く叩いた。クリスを責めても仕方ない。むしろクリスはそういうことが起きないように最善を尽くすタイプだ。目の前でどんどんこぼれ落ちていく命を救えないというのが、彼にとって一番辛いことだと思う。毎回そんな感じがする。

が、ここで更に燃料が投下される。

あの村を最後鎮圧しにかかっていたのはクリスたちのハウンドウルフだけじゃない。B.S.A.A.も別作戦で行動を起こしていた。だが、彼らの動きを見たハウンドウルフの隊員たちは訝しげな反応をする。どうも私の知っているB.S.A.A.とは違う、良からぬことをしているようなのだ。
そして最後のヘリでその謎の一端が顔を覗かせる。

「B.S.A.A.が寄越したのは兵士じゃない、B.O.W.だ」

どう見てもタイラントがベースなB.O.W.である。
これを鎮圧に寄越したということは、この手のB.O.W.が実戦でほぼ使えるということになったのだろうか。
これもちょっと後で考えたい。

奇しくもミアが望みを託したイーサンの「特異体質」のおかげで元凶を断つことができた…………のかなあ?

以下エンディングの話。

数年後、少女になったローズがバスに揺られて墓参りに来る。

イーサン・ウィンターズ。墓名はそう記されている。
ローズは定期的にイーサンに会いに来ているようだ。

だが、彼女を呼ぶようにクラクションが鳴る。後ろの黒い車はクリスが作中で乗っていたようなもので、ローズは「仕事」にいかなきゃといってイーサンの墓を後にする。
彼女はエヴリンと冗談でも呼ばれるのを好まないようだが、イーサンを介してしまったことでエヴリンの素質もまた持ち合わせてしまったのだろう。何かしらの力を有しており、それを「仕事」に使っていると思われる。

またこの展開かあ…………。

所属しているのがB.S.A.A.だとしたらラストでクリスがしばきに行った欧州本部はどうなったのとか。
そもそもそんな能力を「仕事」に生かすことが許されるのかとか。
(制御できるならオッケー、ダメなら処分っていうのはなんだか差別的な気もする)

でも、墓地から遠ざかっていく車が、最後にブレーキをかけて止まった。そこに誰かが立っていて、車はそのために停止したようだった。あまりにも小さくて見えないのだが、これはどうもイーサンのようなのだ。
かつて7でイーサンがうつ伏せになっているところを、海外の人があれやこれやとデータを舐めまわした結果、イーサンの顔が明らかになったというのがあったけど、それを今回もやってみたところ、あの人物はイーサンだということがわかった。ただ、それはオフィシャルな話ではないので眉唾ではある。例えそういうものだったとしても、解析前提で作るストーリーなんて味気ないとしか思えないので、フレーバーとしてイーサンがあそこに現れたのなら、それが一番いいな、という程度に捉えておく。

スタッフロールの横には絵本のような物語。

 

夫婦に子供が生まれて、三人が幸せに暮らしていた時母親が病に倒れて死んでしまった。
残された父親と娘だったが、娘もまた母親と同じように病に倒れてしまう。
苦悩する父親に村の人間が「教会で助けてもらえるらしい」と教えてくれた。
彼は藁をもすがる思いで娘を教会に連れていく。
医者は娘に注射を施し、程なくして娘は元気になった。
父親も他の村人も、伝染病を防ぐために同じ注射を受けた。

だが、その注射の中身はカドゥだった。適応できなかった父親は容体が一変し、人間ではなくなってしまった。

シンプルなのだが、今回の村にあった惨劇がここで明かされていてわかりやすかった。
こうして取捨選択してよりよい「器」を選びとっていったのだ。

ということで次回から重箱の隅をつつきながらの妄想に入る。