Switch版「螢幕判官 Behind The Screen」プレイ記録。
セールだったのとちょっと個性的かつノスタルジーなグラフィックに釣られて。
ネットで評判を見ると、若干物足りないとかゲームとしてはイマイチという感想が目立つような気もするのだが、私は値段的にもこれくらいでちょうどいいのではと思ってしまう。パズル、アクションなどのゲーム性はおまけ程度に入っているだけなので、そう言うものを求めている人には物足りないのかもしれない。

で、ストーリーがどうだったのかというと、素直に一本道だけを辿ってEDに到達してしまうだけだとつまらないシナリオになってしまう。途中で手に入るノートを読めば少しは世界観を理解できるかと思って、思いつきだけで書いてみようと思う。
ちなみにあらすじはこんな感じ。

インターネットが発展していない年代を舞台に、ある大衆の怒りを買う殺人事件で展開される物語。一連のテレビニュース報道、モニター越し誰でも判官になって死刑に処したい。プレイヤーは犯罪者の回想で事件の真実を探す。

タイトルの意味はモニター越しの審判、みたいな意味でいいのだろうか。モニター越しに裁くとか。
日本語も怪しいので他言語はもっと怪しい。

殺人を犯した青年は一部だけが抜き取られてあることないことくっつけてメディアに拡散されていき、いつしか真実は誰も知らない所に消えてしまった。その青年の過去を我々が追体験して、彼が何を考えていたとか、どんな過去があったとか、そういうことを知っていくというお話。
でも、ガッと面白い展開が用意されているわけではない。
私は言語も怪しく、歴史にも疎いので正しいかどうかはさておき、いろいろ考えてみる。
読み方はグーグルに頼っているので、間違っていたら申し訳ない。

主人公の王裕明(ワン・ユーミン)は母親と幼くして別れている。手元にあるのは一枚の手紙だけ。母親がいなくなる前に、いつもみたいに新聞を一緒に読むから取っておいてねということが書いてある。だからか、このあとノートに記録されるものは新聞記事が多い。

范姜新林(ファン・ジャンシンリン)、は1977年の中レキ事件(漢字表記は中壢事件)に関わる人物。というか地名も含めてちゃんと書いてあるのだが「壢」が読めなくて検索に手こずった。
日本語のWikipediaによれば、台湾桃園県長選挙の投票過程での中国国民党の不正行為に反発した中壢市民多数が、市内の警察分局を包囲、焼き打ちにした事件。范姜新林はこの選挙の投票会場の一つ、第213号投票所の監督である。まあ簡単に言ってしまうと范姜新林が不正して投票を改ざんしたというのがきっかけで、ただでさえ不公平感漂う選挙だったところに火がついてしまい、それを知った市民が証拠を掴もうとしたりなんだりで暴動などが起きた事件。

日本語でわかりやすいページ見つけられず。なのでwiki翻訳。
これは1982年にあった台湾初の銃を使った銀行強盗事件のことらしい。李師科(リ・シケ)は強盗の2年前に土で作った簡単な銃を用いて警官を殺害し、リボルバーを奪って逃走。彼は社会や政治への不満を募らせており、その後作戦を練って強盗をして逃亡するが、その間に顔が似ていたそっくりさんが誤って逮捕されてしまう。執拗な拷問の末にやってもいないことを自白させられてしまい、そっくりさんは隙を見て橋から飛び降りて命を絶ってしまった。
その後まもなくして李本人が捕まり、ノートにある通り21日に軍事裁判によって死刑が宣告され、26日に執行された。
そっくりさんを逮捕してしまった警察の責任者は、偽造文書を持ってオーストラリアからアメリカを経由して中華人民共和国に逃亡したものの、その後なんやかんやで出世もした。その後台北地方裁判所が法的指名通知を出したものの、これは期限付きであったため現在は無効になっているという。
この事件で気になったのは、当初秘密にされていた事件の目撃者が警察の守秘義務の欠如やメディアの激しい競争などによって露見してしまったところだ。こういうところは昔も今も変わらないような気がする。公にならずとも、噂はどこからか漏れていく。そしてそれに尾ひれがついて拡散していくという図は、今作のストーリーと似ているように思うが、こじつけだろうか。

「返校」もそうだが、台湾のインディーズゲームで触れる機会があるものは、白色テロ時代のものが多い。今回の新聞記事の年代もそうだ。詳しくは検索した方が早いが、沈鬱な空気の時代であったことは想像に難くない。
中レキ事件然り、強盗事件然り、どちらも政治や権力によって左右させられたものだ。
多分だが、この時代はそういう事件が多かったためこう思うのだろう。
これらの話をどうやってシナリオに絡めるのか楽しみだが、きちんとまとめられるのかどうかわからない。