リベレーションもなかなか好きな設定だったのと、ウェスカー計画について触れるどころか当事者のアレックスが出てきたりしているので、いろいろ自分なりにまとめ直した。
おさらいとして、前作のリベレーションに出てきた組織FBCがある。
元FBC幹部のニールは前作のボス、モルガン・ランズディールの右腕とも呼ばれていた。アレックスを利用してFBCの再興を虎視眈々と狙っているのだが、そんなことはアレックスにはバレバレである。結局利用される。
もう一つの共通点は、謎の少女ナタリアの両親が”テラグリジア・パニック”に巻き込まれて命を失っているということ。
まあフレーバー程度に前作のネタが入っている感じ。
リベレーション2の最大の謎は「転生の儀」が一体なんなのかというとこだった。その儀式のためにナタリアに執着しているアレックスなのだが、順に追っていくとこうなる。
- ウェスカー計画の生き残りの一人。非常に優秀であったのか、5で入手できるスペンサー卿の手帳のテキストの報告者に名前を確認できる。
- スペンサー卿が開発していた転生の儀を完成させるが、アレックスもまた病に侵され残された時間が短かったため、スペンサー卿の手から研究成果を奪い、孤島に引きこもる。
- 研究施設の建設をするために島を開拓して、なんやかんやで島民の支持を得ることになったので、労働者を人体実験に使用したりした。
- いつものバイオハザード発生
転生の儀というのは、スペンサー卿の考えていた不老不死研究の一つである。
これは精神を他人に上書きする行為……となっているが、そんなに簡単にできるものなの?なんかいろいろすっ飛ばしてない?と思うのは私だけだろうか。
まあその上書きされる側の肉体に適合したのが、ナタリア。
彼女は上述したテラグリジア・パニックによって両親を失っており、恐怖という感情が欠落してしまっている。恐怖を感じないということが、アレックスには魅力的だったのであろう。
そしてウェスカー計画。そもそも彼女の体が弱かったのは無茶なウェスカー計画のせいでもあるのだが、その計画で生き残ったアルバート・ウェスカーのことを彼女は「兄」だと言っていた。そしてどういうルートを得たのかは不明だが、アレックスはウロボロスを受け取っているのである。リベ2の時期は5と6の間なので、表向きにはウロボロスはなくなり、バックアップをしていたトライセルもまた社会的地位を失っているはずだ。だが、ウロボロスがアフリカのあの場所にしかないということはあり得ないと思われるため、なんらかのルートがあったはずだ。
アレックスがこの孤島で撒いたウイルスはt-Phobos。致死性は過去のTウイルス系よりも低くなっている。しかし、このウイルスは恐怖を感じるとウイルスが活性化して”発症”してしまう。
アレックスは恐怖を感じない人間を探していた。だからこのt-Phobosに適合する人間がいれば、それこそが彼女の追い求めていた器になるのだ。
2009/11/8
模擬実験記録より
今回は、”本番”に近い状況を想定し、
11人の実携帯に腕輪型特殊センサーを装着、
強い精神的負荷を断続的に与えて、
実験隊の経過を観察した。
結果、3人は即死。
8人は”発症”したため射殺処理。
全員が負荷による恐怖に耐えられなかった、
という結果をもって実験は終了。
実験記録からも、いかに恐怖を克服できるかを繰り返し実験している。
2010/1/24
臨床実験記録より
試験ウィルス「t-Phobos」は、完成まであと一歩。
先の改良によって、t-ウィルスの持つ致死性は抑制され、
「精神的な強い負荷によって発症する仕組み」は
みごと実現された。
また、実験隊の抗体率も2%以下と、目標値を達成している。
我々に与えられた時間はあと少し。
本番は近い。ミスは許されないのだ。
さりげなく書いてあるけど、あの凶暴極まりないt-ウイルスの致死性を抑制するってなかなかすごいことだと思うのだが。肉体的な反応を促すt-ウイルスとは異なり、精神的な負荷による反応を示すよう改良された。
そしてアレックスの意思をはっきりと示したのがこの文書。
新世界の秩序を自ら創造する望みも、
父への悼辞より
老いと病には逆らえなかった。
全てを手にした貴方を裏切った命に捧げる。
叡智の限りを注いだ”息子”の手で、
忘却の無へと葬り去られた、
憐れなる我が父よ。
ここに誓いましょう。
不遜なる貴方の”娘”めが、
貴方の強大な力と莫大な富を、
貴方が忘却した無の底より、
手をのばし貰い受け、
新世界の秩序を、永劫の叡智を、不滅の命を、
必ずやつかんでみせましょう。
この先、貴方の霊が救われることなく、
憤怒の歯ぎしりが永遠の無で響くことを…。
ウェスカーがスペンサー卿を殺害したことを知っている。そしてスペンサー卿の代わりに自らが転生の儀を成し遂げようとしている。
しかし「この先、貴方の霊が救われることなく、憤怒の歯ぎしりが永遠の無で響くことを…」という言葉が不気味。スペンサー卿はここでも踏み台扱いなのか。
「転生の儀」のために記す…
転生の儀のための覚書より
憐れなる我が父スペンサーが、その晩年に
ワラにもすがる思いで執着していた不滅の力、
”不老不死”の研究は、未完成で終わっていた。
私は彼の研究を引き継ぎ、その核となる技術、
”精神と記憶の転移システム”の実験改良を
繰り返してきた。
一定の成果は得られたが、いまだ不安定な
部分も多い。
現時点で判明している必要条件は、以下のとおり
1.”器”は新たな精神と相対する”恐怖”に打ち克つ、
強い精神力を有していなくてはならない。
2.”器”への負荷を最小限にするため、
転移後の定着と安定に約半年の期間を要する。
私に与えられた時間は決して長くはない。
一刻も早く、完成を急がねば…。
しかしアレックスは終盤転生の儀が終わったと確信し、自ら命を絶つ。
ところが最期になって自らの死に対する恐怖にt-Phobosが反応してしまい、転生するどころか醜いクリーチャーとして蘇ってしまった。最悪である。
そして転生すべきだった肉体であるナタリアを逆恨みし、半ば自暴自棄になって恐怖を振りまくという行為に出る。この”恐怖”というのが、ウロボロス・ウイルスである。
今日から死体を使った、
研究員の日誌より
「ウロボロス・ウイルス」の実験研究を
行うことになった。
施設には毎日、大量の死体が
届くことになっている。
スチュアート様の周到な手配のおかげで、
研究のための材料には事欠かない。
さっそく死体に投与すると、
まつで操り人形のように動き出した。
しかもこいつは実に攻撃的で、
目の前の人間に襲いかかろうとしてくる。
こいつはまるで生物兵器…B.O.W.のようだ。
本日、スチュアート様から「闇の血」と呼ばれる
研究所 所長の日記より
モノが届いた。あのアルバート様が完成させた、
「ウロボロス・ウイルス」のサンプルだ。
t-Phobosについては研究開発は終了したので、
次はこいつがメインの研究材料になる。
施設の地下部分はウロボロス・ウィルスの研究用に
大きく改造を施した。
アレックス様へのさらなる貢献のため、尽力したい。
この「闇の血」をアレックスは島中にばらまいてバイオハザードを発生させた。
アレックスは醜い姿で蘇った自分をどうしても認めず、病魔に侵されてウイルスにも頼って姿を保っていることにどうしても耐えられなかった。自分自身を憎んで憎んで存在を否定し続け、やがてその感情はナタリアへと向いていった。
ナタリアは消さなければならない、自分が本当に転生するためにはナタリアの存在があってはならない。
歪んだ感情は狂っていき、ナタリアを殺すという目標に置き換わる。
私は…いまだ生きている…
ナタリアへの怨念より
あの死は、私の死ではなかった…
それはすべて自らが招いたこと、
ああ。
あの引き金を引く瞬間、
私が、世界から消滅することに、
私が、恐怖を覚えるなんて…
死に損ない、病魔に侵された肉体を、
ウイルスの力にすがり、
生き存えるとは…
私は…なんて醜いのか、
私が、醜い醜い醜い、
ワタシはない、私が醜い…
しかも、まもなく、
転生したもう一人の私が、覚醒する、
その時、醜い姿に変身し生き存えている。
許されない、
私は、認めない、
こんな姿を覚醒した、
私が、私に笑いものにされる。
私は…なんて醜いのか。
私こそ、私なのに。
私こど、覚醒した私だったのに。
そうよ。
ああ。そうだわ。
私は、私しかワタシじゃない、
だから、ヤツはワタシはない…!
だから、ヤツはニセモノ…まがいもの!
だから、消滅するのは…ヤツ
殺さなければ…
ワタシがワタシにあるために、
ワタシが…ザインで存在するため、
そうよ。
「闇の血」そそぎましょう…
あの忌むべきウロボロスを島中に…
ヤツを…消滅するのよ…
ヤツを…恐怖するまえに…
死が、お前を抱きしめるわ、ナタリア…
お前が消える時、
その時、ワタシはワタシに転生するのよ、
ああ。
ナタリア…死ね…ナタリア…
最期は自らにウロボロスを注入し、そして倒される。
彼女もウェスカー計画の生き残りであり、有能な研究者でもあった。アルバートも同じだが、彼の場合は群を抜いて強かったのに対し、アレックスは肉体的にハンデを背負っていた。だからこの計画に力を注ぎ、完成することに注力したのだ。それ故に成就しなかった時の彼女の絶望が悲劇の引き金を引いたことになるのだが、なんだか少し気の毒な気がしてしまう。
人工的に生み出された存在。生き残った兄妹はふたりだけ。
自らが生き延びるために手を伸ばした不老不死の研究は、失敗に終わってしまい自分は見る影もないクリーチャーと化してしまった。女性ならこれだけで耐えられまい。もともと容姿は悪くなかっただけにダメージも大きかっただろう。
多くの島民を犠牲にして開発を進めたことではあるが、大元の動機を辿ってみるとなんとも言えない、切なさのようなものを感じるキャラクターなのだった。