Citron*days


<< Wedding Note 2 :: main :: お呼ばれドレス >>

聯合艦隊司令長官 山本五十六

映画カテゴリがあるのに、レッドクリフしか記事を書いていなかったことに軽く絶望しつつ、今年はもうちょっと映画をみようと思います。ネタになりそうなホラーはよく見てるんですが、それは別Blogにメモとしておいてあるので、こっちに書いてないのですよね…。ホラー以外も映画館で見たいなぁ。
というわけで、新年早々みてきた「M:I 4」はおいておいて、私はこちらを書きます。

isoroku.jpg

「聯合艦隊司令長官 山本五十六 ー太平洋戦争70年目の真実ー」

(※音が出ますので注意してください)

某ロボ7c氏からは「シナリオはいまいちだと思うので人柱乙」といわれたのですが、前売り券を買ってしまった手前観に行かない訳にもいかず、母と観に行ってきました。
私が彼の名を知ったのは、吉村昭の「戦艦武蔵」の中でした。戦艦大和に続き武蔵が完成し、旗艦が武蔵にうつったときの描写からはじまり、武蔵から飛び立ち消息を絶つところまでしか知りませんでした。ただ、彼がちょっと変わった人物であった、というようなことだけ覚えています。
なので、彼に関する知識はかなり低い状態で映画を観に行きました。

私がそうであったように、また多くの人が持っている「戦争」のイメージと言うのは、恐らく太平洋戦争が勃発して日本が参戦し、ミッドウェー海戦以降のものなんじゃないかな、と思います。なんとなく陸軍のイメージが強くて、海軍のイメージはちょっと弱い、私はそんな状態でした。だから、日本が何故勝ち目もなさそうな戦に参戦してしまったのか、わからないまま歴史の授業を終えていました。少しずつ概要を紐解いていくうちに、その謎は解けていくのですが、こういう疑問を持っている人にはわかりやすい映画であったと思います。多少、時代背景を知っているとなお楽しめるな、という感じでした。

元は「昭和史」を映画化したいという構想だったのですが、そのままでは膨大になってしまうので、山本五十六と言う人物を中心に据えて、時代を描いていた映画でした。山本五十六個人の考え方や行き方もさながら、周囲の人間や社会がどのような状態であったのか、そういうところがわかりやすい反面、山本五十六個人をもっと知りたいという人には物足りない映画なのかもしれません。

日本はこの戦争以前、負けたことがなかったため、どうしても戦争をすれば勝つ、という空気が世間にも漂っていたようです。苦戦した日露戦争ですら、年月を重ねるごとに忘れられてゆき、ただ勝利したと言う事実のみが残る。「戦争に勝ったって、何人もの兵隊さんが死んでいるんでしょう」という台詞がありましたが、そういった事実は忘れられた頃に、再び戦争という文字が日本に訪れてきます。最初は小さなことでしたが、それが次第に大きくなり、やがて日米対戦へと発展してゆきます。アメリカとまともにやりあったのでは勝ち目がない、と判断した山本は、真珠湾作戦を遂行したのですが…。

あわせて、阿川弘之著「山本五十六(上)(下)」を読んでいますが、こういった彼にまつわるものを読みながらだと、日本が何故あの戦いに突っ込んでいったのか、次第にわかってくるような気がします。私にとって、あの戦いは「なんでそんなことを」と思うくらい馬鹿げたことだったのですが、当時はそんなことを考える人の方が少なく、いろいろな要因が重なり、そして開戦に至ってしまった。その中で苦悩し、突き進まざるを得なかった人物の1人が、山本五十六なのだと思います。

キャスティングは見事だったので、ライトな映画でいいからこういった太平洋戦争の話をみたいというかたはどうぞ。
Antenna > Movie : - : trackbacks (0) : edit

Trackbacks